ニコパフ最新トレンド2025|世界の動きと日本の実務ポイント【2025年版】
要点(2025年)
今年の大きな流れは①使い捨て(ディスポ)禁止の拡大、②フレーバー規制の強化、③若年対策と違法流通の攻防、④環境規制の前進です。各国の一次情報をベースに「何が起きているか」「日本で何を確認すべきか」を整理します。
前提:20歳未満は使用禁止。喫煙エリアへの立入も20歳未満は不可。日本での位置づけはこちら。
目次
1. 使い捨て禁止の波(欧州・英連邦)
- 英国:2025年6/1から単回使用(使い捨て)VAPE販売を全面禁止。若年対策と電池ごみが背景。政府は「毎週およそ500万本が廃棄」という実態も示しています。
- ベルギー:2025年1/1に使い捨て販売を禁止(EU域内で先行)。
- フランス:2025年2/26から使い捨て(puffs)販売等を禁止(法律2025‑175)。
- ニュージーランド:2025年6/17施行で使い捨て禁止。装置要件や未成年対策も強化。
- オーストラリア:2024年1月に使い捨て輸入禁止、同年10月以降は治療目的の薬局供給へ一本化。2025年も基準強化が段階的に進行。
ここがポイント
「ディスポ禁止 → ポッド式や再利用型へ移行」が各国で共通の流れ。見た目は似ていても“中身は交換式・充電式”へ置き換える動きが出ています。
2. フレーバー規制の拡大
- オランダ:政府系RIVMの枠組みに基づき、原則「たばこ味のみ」を許容。実施後の評価で、自己申告ベースの使用減(40%)・中止(22%)が報告されています。
- デンマーク/フィンランド/リトアニアなど:非たばこ系フレーバーを禁止する国が増加。税・包装表示・広告規制とセットで進むのが特徴です。
規制は味の名前だけでなく、色・パッケージ・宣伝方法まで踏み込む例が増えています。甘い名称やカラフルな意匠は若年者への訴求と見なされやすいためです。
3. 米国:若年使用は低下、無許可流通が課題
- 若年トレンド:CDCの全国調査(NYTS)では、中高生の現在使用率が2023年7.7% → 2024年5.9%に低下。
- 取締り:FDAは店舗摘発や警告書の発出、見本市での是正、いわゆる“スマホ型”デバイスへの注意喚起などを継続。
- 無許可品の流通:承認プロセス外の製品が流入。報道では、中国側の対米輸出額と米側の輸入統計に大きなギャップがある点が指摘されています。
まとめ:若年対策は一定の効果が出つつも、正規の承認プロセスと非正規供給のぶつかり合いで、市場の“灰色化”が続く構図です。
4. 中国:国内統制と輸出の現実
- 国内:たばこ味以外の販売禁止、オンライン広告禁止など強い統制。
- 輸出:2024年は電子たばこ輸出が110億ドル規模との報道。対米比率は約36%。
- 統計ギャップ:対米輸出額と米側受入額の差が複数メディアで指摘され、通関・税関でのチェック強化が焦点になっています。
5. 環境ドライバーの台頭
- 英国の根拠:電池を含む使い捨てVAPEが毎週約500万本廃棄される推計、廃棄時の火災リスク、プラスチック汚染が政策の直接的な理由に。
- 国際潮流:WHO FCTC/COP10(2024年2月)は、ENDSを含む製品の環境影響を各国政策に反映させる方向で意思決定。具体的な規制内容は各国裁量です。
今後は回収・再資源化・表示といった「サプライチェーン全体」での要求が強まる見込みです。
6. 製品トレンド:再利用型とポッド回帰
- 見かけ代替:禁止後の英国では、外観はディスポ風だが充電/カートリッジ交換式の“再利用型”が増加の指摘。安価だと結局は捨てられてしまう懸念も。
- 正規/非正規の比率:調査会社の推計では、ディスポ量の多数が非正規流通に偏る国・地域があるとされ、統計の不確実さが課題。
- 隣接カテゴリ:ニコチンパウチは欧州で拡大。フランスは口腔用ニコチン製品の全面禁止案をEUへ通報する動きもあり、審査の行方に注目が集まります。
表示の濃度(%⇄mg/mL)や1パフ当たりの目安の読み方は 濃度・回数の読み方 に詳しくまとめています。
7. 日本の足元:自己使用の枠とオンライン申請
- 位置づけ:ニコチン入りのカートリッジ/リキッドは医薬品扱い。日本での位置づけを必ず確認してください。
- 自己使用の上限:税関限りで扱える1か月分=12,000回/60個/120mL。混在は合算、回数と容量が併記されている製品は少ない方で判定。装置は1台+予備1台が目安(詳しくは 1か月分の目安)。
- オンライン申請:2025年7/1以降、対象区分は原則オンライン申請(個人使用/医師等の治療使用/試験研究)。代行が関与する場合は、申請者側で権限設定が必要です。
ニコハブの方針:一次情報に沿った一般的な案内のみ提供します。個別可否の判断や規制回避の助言は行いません。
8. まとめ:2025年は「ディスポ整理元年」
- 欧州・英連邦:使い捨て禁止が相次ぎ、フレーバー規制も拡大。中身は再利用型・ポッドへ。
- 米国:若年使用は低下傾向だが、無許可流通の抑止が最大課題。
- 環境:回収・表示などサプライチェーン規制が強まる方向。
- 日本:自己使用の数量上限とオンライン申請が実務のカギ。迷ったら一次情報を確認。
本記事は一般情報です。各国の最新ルールは政府・公的機関の一次情報で必ず確認してください。
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