はじめてのニコパフ:用語集50(保存版・詳説)

ℹ︎
前提

20歳未満は使用不可/ニコチンは依存性が高い。国内外のルールは国・地域で異なります。


A. まずは全体像

  1. 01. ニコパフ
    ニコチン入りの使い捨て型VAPEの俗称。メーカーの正式名称ではない。→ 03/04/45 も参照。
  2. 02. VAPE(ベイプ)
    液体(リキッド)を電気で温めてエアロゾル(霧)にして吸う総称。燃やさない。→ 31
  3. 03. ENDS
    “Electronic Nicotine Delivery Systems”の略。国際機関や法令で使われる公的な言い方。
  4. 04. ディスポ(使い捨て)
    充電&補充不可の“一体型”。手軽だが国によって販売禁止が増えている。→ 39/40/36
  5. 05. ポッド式(クローズド)
    本体は繰り返し使い、交換ポッドを差す方式。管理が簡単で初心者向き。
  6. 06. リキッド式(オープン)
    タンクに自分でリキッドを注ぐ。自由度・コスパ◎だが手入れと知識が必要。

B. リキッドと化学

  1. 07. ニコチンソルト
    酸で安定化した形。同濃度でも刺激が弱めに感じやすいので高濃度に使われやすい。
  2. 08. フリーベースニコチン
    加工していない形。のどごし(スロートヒット)が出やすい。
  3. 09. PG(プロピレングリコール)
    味の出方・キレを担う。サラサラ。一部で喉が乾く感じが出ることも。
  4. 10. VG(植物性グリセリン)
    煙(ミスト)を増やす。とろみがあり、低温だと粘って供給が遅れる。
  5. 11. PG/VG 比
    50/50=バランス、60/40=味寄り、30/70=煙寄りの目安。機種と気温で体感が変わる。

C. 数字と単位

  1. 12. mg/mL
    1mL中のニコチン量(mg)。濃度の基本単位。→ 濃度の読み方
  2. 13. %(w/v)
    1%=10 mg/mL(100mL中に1g)。例:5%=50 mg/mL。“%=強さの割合”ではない点に注意。→ 換算の基本
  3. 14. 総ニコチン量(mg/本)
    濃度×容量で目安の総量。体内に入る量とは別。例:20 mg/mL×2 mL=40 mg。
  4. 15. 吸引回数(puffs)
    箱の600/5000回は機械試験の目安。吸い方・出力・気温で大きく変動。→ 46/47読み方
  5. 16. mAh / Wh
    電池容量の単位。飛行機ではWh基準が多い。Wh=V×Ah(例:3.7V×2Ah=7.4Wh)。→ 36

D. 吸い方・体感ワード

  1. 17. スロートヒット(のどごし)
    喉に当たる刺激。濃度・温度・メンソールで変わる。
  2. 18. MTL(口吸い)
    口→肺。紙巻きに近いタイトな吸い心地。
  3. 19. RDL(制限付き肺吸い)
    MTLとDTLの中間。適度に軽く濃い。
  4. 20. DTL(肺吸い)
    空気を多く取り込む。ミスト量が多いが、初心者はむせやすいことも。
  5. 21. メンソール/清涼剤
    メンソール=香り+冷感。清涼剤=香りなしで冷感だけ。ラベルのIce/Coolは冷たさの強さ。
  6. 22. フレーバー系統
    タバコ/ミント・メンソール/フルーツ/デザート/ドリンク/ハーブ。→ 49 の選び方
  7. 23. RY4
    タバコ+キャラメル&ナッツ系。甘香ばしい定番。

E. 部品・構造

  1. 24. デバイス(本体)
    電池・基板・ボタン等の心臓部。ディスポは一体化。
  2. 25. ポッド/カートリッジ
    交換用の液入れ部。コイル一体型が多い。密閉保管で漏れを防ぐ。
  3. 26. コイル
    リキッドを温めるヒーター。メッシュは均一に熱を入れやすい。寿命は使用条件で数日〜数週間。
  4. 27. 抵抗値(Ω)
    高抵抗=低出力で穏やか, 低抵抗=高出力で濃い傾向。
  5. 28. プライミング
    新コイルに液を染み込ませてから使い始める手順。ドライヒット防止。
  6. 29. ウィッキング
    コイルに綿(コットン)やセラミックで液を供給する仕組み。供給不足=焦げの原因。
  7. 30. エアフロー
    空気量の調整。絞る=重く濃い/開ける=軽く多い。
  8. 31. エアロゾル
    白い霧のこと。“無害な水蒸気”ではない。周囲配慮を忘れずに。

F. 安全とトラブル

  1. 32. ドライヒット
    液不足のまま加熱して焦げ風味。→ プライミング&出力控えめで防ぐ。
  2. 33. スピットバック
    熱で液がはねて口に当たる。出力を下げ、エアフローを広げると改善。
  3. 34. リーク(漏れ)
    温度差・気圧差・隙間が原因。満タンにしすぎない、移動時は立てて保管。→ 47/36
  4. 35. オートカットオフ
    連続加熱を自動停止する安全機能(例:10秒でOFF)。
  5. 36. リチウム電池&飛行機
    本体・予備は機内手荷物のみ/受託不可。機内で使用・充電不可。100Wh以下が一般的な目安。
  6. 37. 保管
    高温×・直射日光×・金属接触×。夏車内放置はNG。子どもの手の届かない場所に。
  7. 38. 廃棄
    電池入りは一般ごみ×。自治体の小型家電回収や店頭回収へ。液は密閉して可燃ごみ規則に従う。

G. 法と手続のキーワード(日本+海外)

  1. 39. TPD(EUたばこ製品指令)
    EUの共通基準。20 mg/mL上限, タンク2 mL, リフィル10 mLなど。EU/UK製品の設計の物差し。
  2. 40. PMTA / MGO / MDO(米国)
    PMTA=事前市場審査。MGO=販売許可/MDO=不許可。米国は許可品のみ合法が基本。
  3. 41. 1か月分(日本の個人輸入の目安)
    吸入12,000回/カートリッジ60個/リキッド120mL。混在は合算, 回数と容量が併記なら“少ない方”。装置は1台+予備1台が税関限りの目安。→ 解説
  4. 42. 輸入確認証(旧:薬監証明)
    1か月分超などで必要な事前確認。2025/7/1以降はオンライン申請が原則。→ 手続の基本
  5. 43. 年齢・場のルール(日本)
    20歳未満は使用不可。20歳未満の喫煙エリア立入も不可。受動喫煙対策の表示に従う。→ 日本での位置づけ
  6. 44. ディスポ規制(海外)
    英国・仏など使い捨て販売禁止の国がある。所持や持込もNGの国・地域もあるので渡航前に要確認。

H. 選び方・運用のコツ

  1. 45. ラベルの読み順
    ①単位(% or mg/mL)→ ②容量(mL)→ ③総量=濃度×容量→ ④回数は目安→ ⑤PG/VG→ ⑥警告表示。→ %↔mg/mL
  2. 46. 回数の現実チェック(暗算)
    mL/回=容量÷回数。例:2 mL÷600回≈0.0033 mL/回(3.3 µL)。極端に小さい値は軽すぎるパフ前提の可能性。
  3. 47. 旅行・出張の基本線
    機内は手荷物のみ/使用・充電×/液体は100mL容器×合計1L。経由地の法律も要確認。
  4. 48. フレーバーローテ
    甘い系+ミント系の2本持ちで“味覚の慣れ”を防ぐ。におい配慮にも有効。
  5. 49. フレーバー選びの順番
    清涼の強さ→甘さ→シーンで決める。日中はシトラス/ミント、食後はタバコ/デザートが無難。
  6. 50. よくある誤解(3つ)
    ①5%=5 mg/mLではない(5%=50 mg/mL)。
    ②0%なら未成年OKではない(20歳未満×、立入も×)。
    “水蒸気だから無害”ではない(エアロゾルは成分を含む)。

付録:超ミニ暗算カード(覚えておくと楽)

  • 1%=10 mg/mL/2%=20 mg/mL/5%=50 mg/mL(→ 換算
  • 総量(mg)=濃度×容量
  • mL/回=容量÷表示回数(回数は目安)
  • Wh=V×Ah(飛行機は100Wh以下が目安)

最後に

  • 健康・年齢・場所のルールを守ることが前提(→ 日本での位置づけ)。
  • 表示を“数字で”読むと、宣伝文句に振り回されにくくなる(→ 数字と単位)。
  • 迷ったら、一次情報(所管庁・航空会社・各国公的サイト)で確認しよう。数量と申請は 1か月分の目安輸入確認証 を参照。